NARISAWA|自然を、一皿の芸術へ。
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🍷NARISAWA
🏙️東京都港区南青山 2-6-15
食事の前に「引盃」が出され、古来より受け継がれる日本の美しい儀式でコースの開幕を彩る。これから始まる今夜の食事への期待が一気に高まった。

NARISAWAの料理は、単に美味しいだけではない。
目には見えない自然の営みや、日本の四季、森の生命力までも料理として表現している。
象徴的だったのが、パンの演出。
焼き上がる前、二次発酵中の生地をテーブルまで運び、今まさに生きている酵母の働きを見せてくれる。
普段は意識することのない「菌」という存在を、目で見て、香りで感じ、焼き上がるまでの時間を共有する。
料理を食べる前から、自然との対話が始まっていた。
コンセプトである「Innovative Satoyama Cuisine」は決して名前だけではない。
食材そのものだけでなく、その背景にある自然環境や微生物、生産者、日本という土地の豊かさまで含めて一つの料理として完成している。

そして今回、特に印象に残ったのがペアリングだった。
提供される日本酒の多くは、富山県の銘酒「満寿泉」。
驚いたのは、その多くがNARISAWAの料理のためだけに造られている特別仕様だったことだ。
聞けば、満寿泉の社長と成澤シェフには長年の深い親交があり、その関係性から実現したペアリングだという。
中には精米歩合17%という、日本酒好きでもなかなか出会えない一本まで登場する。

料理を引き立てるためだけに設計された日本酒は、ワインペアリングとはまた違った、日本ならではの美しさを感じさせてくれた。
料理、空間、香り、音、そして時間。
五感すべてを使って自然を体験するレストラン。
食事というより、一つの作品を鑑賞したような数時間だった。